慢性肝臓病 平成20年2月15日号

 最近「慢性腎臓病」という病名が頻繁に使われるようになってきています。慢性腎臓病とは、腎機能が低下したり(血液検査で分ります)、検尿異常などから腎臓に何らかの障害があると思われる場合を言います。この中には、何ら症状がなく尿検査で蛋白や血尿が出ているだけの早期の慢性腎炎から、透析を必要とするような慢性腎不全まで含まれます。
 慢性腎臓病が注目されているのは、先進国で慢性腎臓病の末期に必要となる透析患者が増加しており、その予防が急務であることと、腎機能が低下するに従って心血管系疾患(心筋梗塞や脳卒中など)による死亡例が増加するためです。
 慢性腎臓病の治療は、まず生活習慣を改善することが重要です。食事は暴飲暴食を避け、塩分を控えるべきです。また、喫煙は動脈硬化と腎硬化を促進するので禁煙が勧められます。あまり知られていませんが、肥満は腎機能低下と蛋白尿を助長しますので、肥満の方は減量が必要です(標準体重(㎏)は身長(m)x身長(m)x22で算出します)。 また、高血圧や高LD
Lコレステロール血症は腎機能を増悪させますので、これらに対する薬物療法も必要になります。もちろん、腎臓病の原因となる元々の疾患に対する治療、例えば糖尿病なら血糖管理なども必須です。腎機能を温存したり腎不全症状を軽減する種々の薬も開発されていますが、慢性腎臓病はある意味生活習慣病の一つと言えますので、生活習慣を正すことをないがしろにしてはなりません。

診特定医療法人 三上会 総合病院 東香里病院
枚方市東香里1-24-34 TEL072-853-0501
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