6月、7月と「心と膀胱のはなし」と題して心因性頻尿について書いてきましたが、何人かの読者の方から「思い当たることがあります」というお言葉を頂きました。たくさんの方に読んでいただいていることは大変うれしいことなのですが、「少しまずいな」という感覚を覚えたことも事実です。
 というのは、今まで書いてきたように、尿意が心理状態の影響を受けることは極めて正常なことであって、「その度が過ぎて自分自身ではもはや制御できなくなってしまった状態が、心因性頻尿という病気である」ということを、誤って理解されているのではないかと危惧したからです。特に、自分が病気ではないかと考えると、ますます膀胱が気になってしまい、どんどん頻尿が悪化する危険があります。
 膀胱のことがどこまで気になれば異常なのか、という基準などありません。すなわち心因性頻尿という診断に明確な基準は無いわけで、自分で「少し膀胱のことは忘れよか」と思えれば、その瞬間にその方は病気ではなくなるわけです。また逆に、トイレに何回行っても多少足が疲れるだけで、大した実害もありませんし、心理的な頻尿はまず失禁に至ることはありません。要するに、排尿回数など気にしないで、トイレに行きたくなれば行ってやれば良いわけです。
 悟りの境地に達した高僧でもないわれわれにとって、何につけても「気にしない」ということは難しいものです。ここは一つ、面倒な「尿意」を好材料として、悟りを開くことに挑戦してみませんか?

泌尿器科部長 百瀬均院長 大山信雄先生
星ヶ丘厚生年金病院 
枚方市星ヶ丘4-8-1 TEL072-840-2641

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