前回に引き続き、慢性腎臓病CKDのお話です。前回、CKDという病気は新たな国民病と言って良いと書きましたが、その理由はいくつかあります。一つは医療費の問題です。平成14年に制定された健康増進法は、受動喫煙の防止や、メタボリックシンドロームに代表される生活習慣病の予防・改善を推進することで「国民が自らの健康状態を自覚すると共に健康の増進に努めなければならない」と、規定していますが、その本来の目的が、増え続ける医療費の抑制にあることは明らかです。 CKDの患者さんが適切な治療を受けなかった場合、最終的には腎不全に至り、人工透析や腎移植を受けざるを得なくなる可能性が高くなります。このことは、今でさえ年間1兆円を軽く超える透析医療費の増加を引き起こすという点で、将来的に大問題となります。
さらにCKDという病気は実は、最終的に末期の腎不全に至り、人工透析を必要とする状態になる前に、脳卒中や心筋梗塞、あるいは心不全といった心血管障害を合併して死亡する患者さんの方が多いのです。
 したがって、単に「慢性の腎臓の病気」ではなく、生活習慣病などと同様に、国全体でその予防・治療に取り組むべきという気運が高まっています。
 次回から、この新たな国民病CKDの病態、診断、治療等を一つずつ取り上げていきたいと思います。

泌尿器科部長 百瀬均院長 大山信雄先生
星ヶ丘厚生年金病院 
枚方市星ヶ丘4-8-1 TEL072-840-2641

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