今回は味噌汁を使った実験を紹介します。熱い味噌汁を汁椀の中に入れて冷めるのを観察するだけなのですが、面白い現象を見ることができます。
しばらく見ていると、写真のように、表面に模様が見えてきます。ちょうど「うろこ雲」のように分割され、分割された中央部分で味噌が下から湧き上がり、「うろこ」の境界部分で、味噌が下へ降りていきます。
味噌汁の表面では蒸発が起こっています。そのため、気化熱が奪われて温度が下がり、密度が大きくなるので下降します。逆に内部は表面に比べて温度が高く密度が小さいので上昇します。これを繰り返し、味噌汁は全体的に冷めていきます。
このような現象を対流と言い、特に分割された細胞のような領域が多くできて、その中で起こる対流を、フランスの研究者の名前を取って「ベナール対流」と言います。
うろこ雲はベナール対流が原因で発生します。この事からうろこ雲の周辺の大気が味噌汁のように静かに冷えていることが分かります。また噴火で噴出された溶岩が冷える時にもベナール対流が生
じ、六角柱状の節理ができます。兵庫県の玄武洞で見ることができます。
味噌汁の中にも、世界につながっている自然があるのですね。

山田善春教諭 プロフィール
理科教諭や学生、社会人など、実験好きの人たちが集まるサイト「オンライン自然科学教育ネットワーク」の世話人。
http://www.onsen-web.org

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