前立腺がん4  平成23年10月1日号

 前回は前立腺がんの診断についてお話しました。確定診断のためには前立腺の組織を採取する針生検という方法が一般的と書きましたが、この結果が陰性、つまり針生検によってがんが検出されなかった場合はどのように考えれば良いのでしょうか?
 がんが検出されていないわけですから、一応は安心していただいて良いのですが、完全にがんの存在が否定されたわけではありません。と言うのは、たまたま、がん細胞に検査用の針が当たらないこともあるからです。実際に初回の針生検が陰性でも再検査を行った場合、一定の割合でがんが検出されることが分かっています。 再検査を行う基準については、はっきりとしているわけではありませんが、初回検査で少し疑わしい細胞が見付かった方や、PSAという前立腺特有のがんマーカーの値が徐々に高くなる方などが対象になります。従って初回の検査で陰性であった方でも、一度がんが疑われた方は、その後も定期的な専門医のフォローが必要になります。
 一方、初回生検あるいは再検査で残念ながらがん細胞が見付かった方は、もちろん治療が必要となるわけですが、その治療方法には、幾つかの種類があります。ということで次回からは前立腺がんの治療方法について一つずつお話しします。

泌尿器科部長 百瀬均院長 大山信雄先生
星ヶ丘厚生年金病院 
枚方市星ヶ丘4-8-1 TEL072-840-2641

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