「エコノミークラス症候群」という名前で有名になった病態ですが、長時間動かずに安静にしていると足の静脈内に血液が停滞して塊ができることがあります(下肢静脈血栓症)。
足に血液がうっ滞してむくみが出るだけならよいですが、血液の塊が血流に乗って流れていくと、肺塞栓症という危険な病気が続発します。
静脈の血液は心臓の右側を通って肺動脈という血管に流れ込みますが、流れた血液の塊が肺動脈を詰めて塞いでいき、肺塞栓を起こします。全身の血液循環を妨げるため、低酸素・低血圧となり、呼吸困難や気分不良を自覚します。大量の血液の塊が詰まると、場合によっては命を落とすこともあります。
長距離の飛行機移動で長時間身動きができない状況で発症しやすいことからこの病名があり、記憶に新しいところでは、熊本地震の被災者の方が自動車内で長期間過ごされたことで多数発症されました。
治療は血液の塊が少しでも溶けてなくなるように、血が固まりにくくなる薬剤を投与して安定化するのを待つことになりますが、入院加療が基本になります。
足が急にむくんできて(特に片方だけ)、呼吸苦・気分不良を自覚する場合は注意が必要です。
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救急科部長 竹中 洋幸
京都大学医学部卒
京都大学大学院卒
勤務歴:京都大学医学部付属病院、市立島田市民病院、康生会武田病院
専門分野:救急・総合診療科

枚方公済病院
枚方市藤阪東町1丁目2番1号
TEL 072-858-8233

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