吉田医療新聞:心臓カテーテル治療④

厳しい残暑が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?今回はステント治療の歴史後半についてお話します。
平成4年に発売された従来型のステントは半年経つと30%の確率でまた細くなる、いわゆる再狭窄を起こすことは前回説明しました。
その再狭窄をほとんど起こさないステントが平成15年8月に救世主として登場しました。
その救世主の名は薬剤溶出性ステント(商品名:サイファー)といって、ステントの表面からシロリムスというお薬が血管の壁に染み出すように作ってあり、そのお薬の効果で血管が再び細くならないようにできた優れものなのです。
その優れもののおかげで、何度も何度も繰り返す狭窄に悩まされていた患者さんも治療から解放されました。また従来なら、天皇陛下も受けられた「バイパス手術」でしか治療できないような重症な患者さんでさえも、「カテーテル治療」で治すことが可能になりました。
まさに薬剤溶出性ステントの出現により心臓カテーテル治療は成熟期に入ったといっても過言ではないのです。
毅峰会 吉田病院(枚方市北中振3-8-14)
TEL 072-833-1831
循環器内科部長 木戸 淳道
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京都府立医大医学部卒業
日本循環器学会専門医
日本心血管インターベンション治療学会専門医・施設代表医

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