急にお腹の調子が悪くなる病気は多々ありますが、最近中高年者の大腸の憩室炎が増えています。大腸が長年動くうちに壁の弱い部分が大豆ほどの大きさで袋状に外側に膨らむことがあり、これを大腸憩室と言います。
無症状であれば治療は不要ですが、時に憩室内に便がたまって炎症を起こし、腹痛・発熱・下血などの症状を引き起こすことがあり、憩室炎と言います。
大腸の憩室は便秘がある人にできやすく、上行結腸(右腹部)・S状結腸(左下腹部)に好発しますが、大腸のどこにでもでき得るので憩室炎ではお腹のどこが痛んでも不思議はありません。CT検査で憩室とその周辺の炎症所見が確認できれば診断がつきます。重症度の判定には血液検査も有用です。軽症なら抗生剤・整腸剤・緩下剤などの内服薬と消化によい食事摂取で外来治療も可能ですが、入院での絶食・抗生剤点滴治療が無難です。下血がひどければ大腸内視鏡で止血術が実施されることもあり、穿孔(腸に穴が開く)すれば手術が必要になることもあります。
お腹には胆のう炎・虫 垂炎・憩室炎など様々な急性炎症疾患のほかに腸閉塞や悪性疾患もあります。具合が悪ければ早めに医療機関に相談ください。

救急科部長 竹中 洋幸
京都大学医学部卒
京都大学大学院卒
勤務歴:京都大学医学部付属病院、市立島田市民病院、康生会武田病院
専門分野:救急・総合診療科

枚方公済病院
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