こどもの心理を知ろう:多様性

 数匹のハチとハエを入れたビンを横に倒し、底を明るい方に向けて蓋を開けると、どちらが早く外に出られるでしょうか。ハチは明るい方向に出口を求めビンの底に突撃を繰り返すが出られず、次第に疲れて動かなくなってしまい、ハエは2分とたたずにビンの口から出ていきました。
 ハチは光を好み、その方向に出口があることを知っているのですが、この実験では「知っていること」があだになり、一方でハエはそうした習性がなく、ひたすら飛び回っている内に出口を見付けられたということです。(エクセレント・カンパニー 講談社)
 さて皆さん、この文章を読まれて私たちにも思い当たる節はないでしょうか?子どもを叱る時、常に同じ叱り方をしてしまう、また、子どもがいつも同じ失敗をしてしまうなどです。これを多様性のない思考、行動と呼びます。逆に、TPOに合わせた合理的な手段、方法を考えて行動に移すのが、多様性のある思考、行動です。
 子育てに求められるのは、この「多様性」です。
単眼思考ではなく広角思考が大切です。何度叱っても同じミスを繰り返し叱られる子どもに対して、多様性を持って接してください。

こころの教育Q&A 子どもの心理を知ろう
関西カウンセラーズ研究会
心理分析室 深田昭一(上級教育カウンセラー)
元暴走族から更生、教師を経てカウンセラーに転身。現在、カウンセリング、並びに各地での講演活動を実践。テレビ、ラジオなどにも出演。

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