枚方公済病院シリーズ:肺気腫

 中高年で深刻な問題になる病気に肺気腫があります。原因には大気汚染や粉塵暴露や遺伝もありますが、何といっても喫煙です。肺胞が不可逆的に破壊されていく恐い病気で日本人の主要な死亡原因の一つです。
 肺は0.1㎜程度の肺胞という小さな袋が数億個も集まっている緻密なスポンジ様の組織です。この肺胞で空気中の酸素を体内に取り込んで二酸化炭素を空気中に捨てる作業が行われています。吸入されたタバコ煙はこの肺胞の壁を壊して空気の溜まり(気腫)を作って大きくしていき最後には緻密なスポンジがヘチマたわしのようにスカスカになっていきます。当然体内の酸素が不足して呼吸苦を自覚するようになり、進行して二酸化炭素が体内に溜まると全身が酸性に傾いて様々な身体機能を低下させていきます。肺炎や気胸などの合併症も起こりやすく、その際には呼吸状態が急激に悪化して突然危険な状況に陥ります。傷んだ肺を戻す薬はなく、治療はまず禁煙です。
 肺気腫は喫煙量とタバコ煙に対する個人の感受性のバランスで発症するといわれ、感受性の強い人は受動喫煙でも発症してしまいます。喫煙は百害無益で個人の自己責任ですが、周囲への配慮は必須です。
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救急科部長 竹中 洋幸
京都大学医学部卒
京都大学大学院卒
勤務歴:京都大学医学部付属病院、市立島田市民病院、康生会武田病院
専門分野:救急・総合診療科

枚方公済病院
枚方市藤阪東町1丁目2番1号
TEL 072-858-8233

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