枚方公済病院シリーズ:痛風

生活習慣が関わる頻度の高い病気に「痛風」があります。尿酸が過剰に体にたまると関節内に尿酸結晶ができて痛風発作と言われる激烈な痛み・発赤・腫脹を伴う関節炎を発症します。好発部位は足の親指の付け根の関節です。
関節炎の発作は通常10日くらいで自然に治まってきますが、痛みがつらくて病院に来られることが多く、鎮痛剤投与で症状が治まるのを待ちます。
痛風の原因は遺伝や薬剤の影響のこともありますが、多くは食生活です。尿酸の元になるプリン体を多く含む食物摂取を控えることは大事ですが、ほとんどの食物に含まれているので要は肥満と過剰なアルコール(特にビール)摂取が問題です。
痛風発作を一度起こした段階で、かなりの尿酸が体内に蓄積されているので繰り返す可能性が高く、発作後は投薬を受けてでも血清尿酸値を下げた方がよいです。単に尿酸値が高く発作の経験がない方は、投薬よりは生活習慣の是正が大事です。
関節炎の発作は命に関わりませんが、原因となる肥満や過剰なアルコール摂取を放置すると高血圧・脂質異
常・糖尿病を含めた様々な生活習慣病を合併して内臓や血管を傷めて命に関わりますので注意が必要です。
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救急科部長 竹中 洋幸
京都大学医学部卒
京都大学大学院卒
勤務歴:京都大学医学部付属病院、市立島田市民病院、康生会武田病院
専門分野:救急・総合診療科

枚方公済病院
枚方市藤阪東町1丁目2番1号
TEL 072-858-8233

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