吉田医療新聞:心臓病と新型コロナウイルス感染症の関係について

「新型コロナウイルス感染症」による緊急事態宣言発令の中、不安とストレスを感じながら毎日をお過ごしのことと思います。特に「心臓病」をお持ちの患者さんは一層の不安を抱えておられるのではないでしょうか。
今回は「心臓病」と「新型コロナウイルス感染症」の関連性についてお話します。「新型コロナウイルス」に罹った場合、糖尿病や肺に疾患を持つ方に加え、心臓、特に「心不全」がある方は重症化しやすいと言われています。ウイルスが肺に感染し血中の酸素濃度が下がると、心臓はほかの臓器に必要な酸素を送るためにいつもよりたくさん働くことが必要になることで疲弊してしまい「心不全」が悪化するのです。またウイルスによる炎症が心臓の血管に波及すると「急性心筋梗塞」の危険度が高まります。
中国・武漢からの報告ではコロナウイルス感染者の心筋梗塞の特徴は血栓が多量で治療に難渋するケースが多いとのことです。
感染予防から医療機関受診を控えるよう呼びかけがある中ですが、「悪化する胸痛」「動悸」「息切れ」「失神」といった心臓病の悪化を示唆する症状が出た際は、時間との勝負ですので直ぐに医療機関に電話連絡し指示を仰ぎましょう。

毅峰会 吉田病院(枚方市北中振3-8-14)
TEL 072-833-1831
循環器内科部長 木戸 淳道

京都府立医大医学部卒業
日本循環器学会専門医
日本心血管インターベンション治療学会専門医・施設代表医

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