枚方公済病院シリーズ:消化管穿孔

腹痛の原因はたくさんありますが、稀に原因疾患が進行して消化管に穴が開く(穿孔)ことがあります。消化管の内容物が漏れて消化液による炎症と細菌による感染がお腹に広がると腹膜炎を起こし、痛みも激しくなって腹部全体に広がり病状が悪化します。さらには全身に細菌炎症が広がって(敗血症)、命に関わる可能性が高く、緊急手術が検討されます。

胃・十二指腸の穿孔は比較的、細菌感染の影響が少なく、最近は軽症なら緊急手術されずに軽快することもありますが、小腸・大腸の穿孔は細菌感染の影響が強く、短時間のうちに敗血症で重症になることが多いので緊急手術になることが多いです。

穿孔の原因疾患は、胃・十二指腸では消化性潰瘍やがんの進行、小腸では絞扼性(腸が壊死する)イレウス、大腸では憩室 炎・がんの進行・高度の便秘などがあります。入れ歯などの異物誤飲・外傷はどの部位でも起こり得ます。診断はレントゲンやCT画像で、通常は消化管内にしかないはずのガス像が消化管外に確認できることでなされます。

下痢や便秘やストレスなどが原因で普段経験する程度の腹痛なら慌てないのですが、経験したことのない激しい腹痛が治まらなければすぐに医療機関を受診しましょう。
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救急科部長 竹中 洋幸
京都大学医学部卒
京都大学大学院卒
勤務歴:京都大学医学部付属病院、市立島田市民病院、康生会武田病院
専門分野:救急・総合診療科

枚方公済病院
枚方市藤阪東町1丁目2番1号
TEL 072-858-8233

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