前月号に引き続き、先月に施行された預金者保護法について説明していきます。
 預金者の被害額が全額補償されるケースとしては、強盗に驚かされて暗証番号を言わされた。地震や台風などの自然災害の際に盗まれた。コインロッカーなどに預けていて、カード情報だけを盗まれた場合などが挙げられます。
 ただし、金融機関への被害の届け出が盗まれた日や不正引き出しの日から30日を越えると補償されません。しかし、本人の入院などの特別の事情があれば補償されます。また、特別な事情があったが、届け出が盗難被害から2年を越えると補償されません。
 ここで注意したいのは、同法では通帳の盗難やインターネットバンキングは対象外となる事です。また、過去の被害を対象としない事例が多く、実際にどこまでの範囲が補償されるのかはそれぞれのケースによって対応が異なる可能性もあります。実際に法律ができても速やかに処理されるかは事例ごとに異なってきますので、安心する事はできないのが現状です。同法は、施行から2年後に見直す事になっていますが、金融機関側は補償の拡大に関しては消極的な立場をとっています。
 同法の対象となる金融機関とは、銀行、農協、漁協、信用金庫、郵便局、信用組合、労働金庫などほぼすべての金融機関が対象となります。
 この法律の内容を総括しますと、カード偽造に対しては金融機関に一定の製造者責任を求め、盗難においては預金者の過失度合いを重視しているのが特徴です。
預金者の過失については、金融機関側に立証責任を負わせる事になっています。
 このように、預金者保護法にはまだまだ不十分な点や課題も多いのですが、この法律の施行は大きな前進と言えるでしょう。
(注・カード偽造については大手銀・地銀を中心に過去2年分補償の動きが広がりつつあるのも実情です。)

実践!ライフマネジメント
日本ファイナンシャルプランナーズ協会会員
下北 行則さん

〈プロフィール〉
酪農研修を修了しカナダから帰国後、上級ファイナンシャルプランナー(FP)の資格を取得、独立系FPとして活躍中。
目標は世界を視野に入れたFPビジネスの展開。

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