「私って何?」自身を知れ。しかし、度を越すことなかれ

 漠然とした質問で申し訳ないのですが、来年20歳になる娘から「私って何?」との質問を受けました。答えはまだ保留にしているのですが、このような場合、どのように答えてやればいいのでしょうか?


A
 以前に私も、お弟子さんから同じ質問を受けたことがあります。その時に「分かっているようで分からず、分かっていないようで分かっているもの」と答えました。
さて、前述の私の回答の意味ですが、「私」というものは普遍的なものでなく、かつ、不変的なものではないということです。難しい表現になりますが、「私」というものは、相対的に常に変化するからです。
例えば「私は明るい性格だ」と思っている人がいたとしましょう。しかし、環境が変わり、周囲にその人以上に明るい性格の人がたくさんいた場合に「私は暗い性格」という正反対の定義になってしまいます。
ゆえに「あるがままの私はこうである」と定義付けをしてしまうことによって、私が私に縛られた生き方になってしまうのです。
しかし、ある程度、基軸となる「私」は、ぼんやりと分かっていた方が自己の変化に気付きやすくなりますので、それはそれで構わないと思います。
ソクラテスいわく「汝自身を知れ」です。しかしその後に「度を越すことなかれ」とも語っております。まさに度を越してしまいますと「私」が迷子になってしまうのです。
余談になりますが、わがカウンセリング研究会の年末最終講義で、「今年の私を一文字で表すと」というテーマで会員の皆さんに書いていただいて、今年の「私」を総括してもらっております。時間があればぜひご家庭でお試しください。

こころの教育Q&A 子どもの心理を知ろう
家庭教育専門カウンセラー 深田 昭一 さん

心理分析室 深田昭一事務所
TEL 06(6942)0605

大阪青年会議所会員(文化都市推進委員)
元暴走族から更生、教師を経てカウンセラーに転身。現在、カウンセリング、並びに各地での講演活動を実践。テレビ、ラジオなどにも出演。

 

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