吉田医療新聞:心臓カテーテル治療②

すがすがしい初夏の季節となりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回は、「心臓カテーテル治療」を深く知っていただくために、その歴史について説明します。
世界で初めて心臓カテーテル治療を行ったのはグレンツィヒというスイス人医師でした。今から約40年前(昭和52年9月16日)にチューリッヒで、心臓血管(冠動脈)の狭窄部位を医療用のポリ塩化ビニル製バルーン(風船)で広げたのが始まりでした。 天皇陛下が受けられた心臓バイパス手術に比べて、体に優しく画期的な治療法でしたが、風船治療だけでは限界がありました。風船治療を行っても、5%程度の方々は広げた血管が術後すぐに閉塞してしまうのです。中には不幸なことに心筋梗塞となり亡くなられる方もおられました。
「これではイカン」ということで開発されたのがステント(ステンレス製の金網)です。狭窄部位を風船で広げた後にステントを入れることで、術直後に血管が詰まってしまうことはほぼ無くなり、心臓カテーテル治療の安全性が高くなったため、急速に普及していったのです。
次回はその後の心臓カテーテル治療の進歩についてお話します。

毅峰会 吉田病院(枚方市北中振3-8-14)
TEL 072-833-1831
循環器内科部長 木戸 淳道
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京都府立医大医学部卒業日本循環器学会専門医
日本心血管インターベンション治療学会専門医

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