吉田医療新聞:心臓カテーテル治療⑦ 薬剤塗布性バルーン

菊花の候、皆様いかがお過ごしでしょうか?
先月はDCA(方向性冠動脈粥腫切除術)という、ステントを使用せずにカッターで心臓の血管の狭くなった部位を切除する治療法について説明しました。
今回は約4年前から使用できるようになった薬剤塗布性バルーンについてお話します。
このバルーンは表面にパクリタキセルという薬剤が塗布してあり、血管の狭窄部位でバルーンが1分間拡張すると血管壁に薬が染み込むようにできています。このパクリタキセルという薬が優れもので、血管の壁に作用して再び狭くならないようにしてくれるのです。
元々は抗がん剤として開発された薬ではあるため副作用を懸念される方もおられますが、体内に入る薬剤量は微々たるものなので体に害がないようになっています。
このバルーンはステント治療が適していない箇所、例えば2ミリにも満たない小さい血管や極度に曲がりくねった血管、そして以前に留置したステント内の再狭窄部位などで使用することが多い製品です。

◎「糖尿病と虚血性心疾患について」の講演会を開催します。
ぜひご参加ください。
11月9日(木)14:00〜17:00(開場は13:30)
会場:地域交流センター アルカスホール

毅峰会 吉田病院(枚方市北中振3-8-14)
TEL 072-833-1831
循環器内科部長 木戸 淳道
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京都府立医大医学部卒業
日本循環器学会専門医
日本心血管インターベンション治療学会専門医・施設代表医

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