戦後73年。もはや日本人のほとんどが残酷な戦争を知りません。第二次世界大戦の終戦後、日本軍捕虜らが当時のソビエト連邦軍に「日本に帰国できる」とだまされ、シベリア奥地の酷寒僻地に送られ抑留されました。約2年から長い人は10年にも及ぶ抑留生活と強制労働で多数の犠牲者を出しました。
その抑留を経験した鈴木七郎さん(枚方市在住・94歳)が、シベリアの凍原に墓標もなく遺棄された戦友の無念を忘れてはならないと『シベリア抑留記』(全38頁)を自費で出版しました。
厳寒の中ほとんど食事も休息も与えられず、苛烈な肉体労働を強いられた壮絶な悲劇。鈴木さんが属した千人の部隊中、奇跡的に生きて帰国できたのはわずか2百人で、鈴木さん自身も70キロあった体重が30キロになっていました。零下30度を超える吹雪の中、深夜も休むことを許されず作業を強いられ、倒れたまま事切れた仲間や朝に冷たい亡骸となっていた仲間。さらには収容所に伝染病が蔓延し、全員が高熱と下痢にのたうち回り、薬もなく死を待つばかり。半世紀以上経つ今もその地獄絵図は鈴木さんの心から消えることはありません。
この惨劇はすべて軍国主義の成せる業、二度と繰り返されることのない世界にと願い、一心にこの『シベリア抑留記』を書き上げました。
この冊子は枚方市8か所の図書館と、交野市・寝屋川市・八幡市及び京田辺市の主要な図書館に寄贈されています。お問い合わせは編集に携わった上田さんまで。
☎090・8521・4230