吉田医療新聞:心臓カテーテル治療⑬ 冠攣(かんれん)縮性狭心症

暑からず寒からずの過ごしやすい季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか?今回は「冠攣縮性狭心症」についてお話します。
この狭心症は、動脈硬化が進行し心臓の血管が詰まることで起こる一般的な狭心症とは違い、普段は大丈夫な血管が急にけいれんし、縮んでしまうことで起こります。安静時に5~10分間胸が痛くなることから「安静狭心症」とも呼ばれています。たばこ、お酒、ストレス、過労、寒さなどが引き金となって、夜間や早朝の就寝中に出現しやすく、ニトログリセリンを舌下投与すると数分で軽快するのが特徴です。
診断するには、24時間心電図検査(ホルター心電図)で発作中の心電図を調べることが一般的ですが、検査中に発作が起こらなかった場合にはカテーテル検査で冠攣縮が起こるかどうかを確かめる発作誘発試験を行います。直接カテーテルから心臓の血管にけいれん誘発薬を投与し、血管が攣縮し胸が痛くなれば「冠攣縮性狭心症」と診断します。
予防するには生活習慣の改善と硝酸薬やカルシウム拮抗薬といった薬の内服が必要です。それでも発作が起こることがありますので、ニトログリセリンの舌下錠を常備しておくことも大切です。
今後は軽度の狭心症には薬物治療を優先し、中等度以上の狭心症のみカテーテル治療を行うことになっていきます。

毅峰会 吉田病院(枚方市北中振3-8-14)
TEL 072-833-1831
循環器内科部長 木戸 淳道

京都府立医大医学部卒業
日本循環器学会専門医
日本心血管インターベンション治療学会専門医・施設代表医

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