ケベック・モントリオール滞在記⑤ 平成18年9月15日号

 今回は「チップ」についてお話したいと思います。
辞典でチップの意味を調べてみますと、「サービスに対する感謝の気持ちとして与える少額の金」と説明されています。
 日本人が海外に行くと面倒なのがチップの支払いだと思います。日本人には無形のサービスに対してチップを支払う習慣はないからです。しかし、特に欧米諸国においては、プロフェッショナルのサービスを受けた場合には、その見返りとして感謝の気持ちを現金化するといった習慣があります。非常に効率的で分かりやすい方法だと思います。
 チップの支払いが必要なサービス業に就いている人たちの多くは、一般的には最低労働賃金で働いている人が多いのです。雇用主側も従業員が賃金とは別に、チップを受け取る事を念頭に入れていますので、そのような賃金システムになっているのです。
 例えば、レストランで働くウエーターやウエートレスの手取りの内容は、一般的には給与とチップが半々くらいになります。しかし、レストランによっては、給与よりもチップの方が多いケースもあります。通常、チップはサービスした人が受け取るのが原則ですが、特に海外の日本食レストランなどは、従業員全員に分配しているところもあります。チップは国によって、所得税が掛かるケースと掛からないケースがあります。
 いずれにせよ、チップは受け取る方の収入に大きく影響するのです。レストランでは、税込み前の合計の15~20%が相場です。
 また、以前から日本人観光客相手には、高額のチップ込みの合計額を請求するケースもまれにあります。違法ですので注意してください。もちろん、日本人が経営している日本食レストランも含めてです。

実践!ライフマネジメント
日本ファイナンシャルプランナーズ協会会員
下北 行則さん

〈プロフィール〉
酪農研修を修了しカナダから帰国後、上級ファイナンシャルプランナー(FP)の資格を取得、独立系FPとして活躍中。
目標は世界を視野に入れたFPビジネスの展開。

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