慢性腎臓病CKD 4  平成22年11月1日号

 さて、今回はCKDの診断についてです。CKDの診断に最も簡単で有効な検査は、検尿による蛋白尿と血尿の確認です。例えば蛋白尿と血尿の両方が陽性の場合や、蛋白尿だけが陽性の場合でもその量が多いほど、腎不全に移行する確率が高いことが分かっています。
 CKDの原因となる病気のうち、かなりの割合を占める糖尿病患者さんや高血圧患者さんは、担当医により、定期的な尿検査が実施されているものと考えますが、健康な方で、例えば児童・学生は学校保健法により行われる学校検診での検尿、すべての勤労者には職場検診、また、その他の一般住民の方には市民検診が実施されるという具合に、わが国では一生涯、何らかの形で検尿検診が行われるシステムになっています。これは、世界に誇れるシステムであり、十分に活用すべきでしょう。
 ただ、尿蛋白は生理的蛋白尿と言って、運動やストレス、あるいは立ち上がっただけでも陽性に出ることがあり、必ずしも病気が潜んでいるわけではないため、注意が必要です。これは血尿(検査では尿潜血陽性と判定されます)についても同じことが言えます。
 一般的には尿蛋 白・尿潜血の両方が陽性の場合や、尿蛋白が2+以上の場合は腎臓内科専門医を、尿潜血のみが1+以上の場合は泌尿器科専門医を受診すべきと考えて良いでしょう。

泌尿器科部長 百瀬均院長 大山信雄先生
星ヶ丘厚生年金病院 
枚方市星ヶ丘4-8-1 TEL072-840-2641

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