緊張と緩和 H23.9月15日号

 この秋に私学の小学校を受験します。子どもを合格をさせるための特効薬など無いのは分かっているのですが、家庭内においてするべきことはあるのでしょうか?できれば心理学的な観点からご指示いただければ幸いです。

 私は塾の講師ではありませんので、どこの学校が、どのような合格基準を設けているかなどの情報や、知識はありません。故にご希望の「心理学的観点」からご説明させていただきます。
数年前よりアメリカ直輸入の育て方、「褒めて育てる」教育法があります。私はこの意見に半分賛成で半分反対です。違った言い方をすると、褒める、叱るのどちらかに偏り過ぎるといけないということです。
「緊張と緩和の心理」という言葉があります。これは甲子園出場を果たした、ある高校の野球部監督の手法です。
練習中は「鬼監督」で、ビシバシと指導をします。これが「緊張」です。そして試合間近になると、その鬼監督が一転し、「菩薩の監督」に変わります。「お前たちなら必ず優勝できる」と。
さて、試合当日のミーティングで、菩薩の監督から、次は「仏の監督」に変わります。選手たちに掛けた言葉は、こうです。「お前たちは今まで血のにじむような練習を重ねてきた。俺も常に厳しい指導をしてきた。だから今日の試合は思う存分楽しんで来い」と笑顔で語ったそうです。これが「緩和」です。結果、その高校は見事に優勝を果たしました。
よって、受験までまだ日数がある場合には、「鬼親」。受験間近になると、「菩薩親」。受験当日には「仏親」になっていただき、「今日の試験、楽しんでおいで。お母さんも、お父さんも楽しませてもらうから」と。
親子一緒に満面の笑みで余裕を持って受験に臨んでください。

こころの教育Q&A 子どもの心理を知ろう
家庭教育専門カウンセラー 深田 昭一 さん
心理分析室 深田昭一事務所
TEL 06(6942)0605

大阪青年会議所会員(文化都市推進委員)
元暴走族から更生、教師を経てカウンセラーに転身。現在、カウンセリング、並びに各地での講演活動を実践。テレビ、ラジオなどにも出演。

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