尿閉について 1 平成20年11月1日号

 朝夕には肌寒く感じるようになってきましたが、皆さんは風邪など引かないで元気にされていることと思います。これから秋、冬と寒くなるにつれて多くなる泌尿器科の病気があります。それが尿閉(にょうへい)です。
 尿閉とはどういう病気でしょう?「尿が閉じる」と書きますが、その通りの意味で、要するに膀胱が尿でいっぱいになっているのに、排尿しようとしても尿が出ない状態を指します。尿閉には、突然に発症する急性尿閉と徐々に進行する慢性尿閉がありますが、今回は急性尿閉についてのお話です。
 急性尿閉の多くは、高齢者の男性に起こります。もともと前立腺肥大症のために多少尿が出にくい人が、何らかのきっかけで全く出なくなるのが典型的なパターンです。
 きっかけとして多いのが、①総合感冒薬の服用②多量の飲酒③長時間の座った状態、などです。これらは、いずれも膀胱の力を弱くしたり、前立腺をうっ血させるために、普段以上に尿が出にくい状態をつくってしまうのです。
 急性尿閉は、膀胱がパンパンに張って大変つらい上に、腎臓を悪くする危険性もあるので早急に治療をする必要があります。尿が出なくなったら、ためらわずに泌尿器科を受診してください。
 これから先は風邪を引きやすくなる季節で、また熱燗がおいしくなる季節でもあります。前立腺肥大症の治療を受けている方は、特に注意してください。風邪気味なのに感冒薬でごまかして、無理をして宴会に出席するような無茶は慎みましょう。

泌尿器科部長 百瀬均院長 大山信雄先生
星ヶ丘厚生年金病院 
枚方市星ヶ丘4-8-1 TEL072-840-2641

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