ひとりひとりが輝く社会に


ソウル五輪女子柔道 銅メダリスト 山口 香さん

「女の人は話にオチがないでしょう?男の人は理解できないんですよ」と、男女の違いを分かりやすく例える山口香さん(筑波大学体育系准教授)は、女子柔道が初めて公開競技となった1988年ソウル五輪52㎏級の銅メダリスト。6月18日メセナひらかた会館で元アスリートとして、母として、そして一人の女性として「男女共同参画」について講演しました。
男性社会であった柔道界で、女子柔道の母といわれた2人を紹介。生涯独身で、アメリカに渡り柔道を指導し、2011年98歳で女性初の10段を取った福田敬子さん。1959年、胸にさらしを巻き、大会に出場、団体優勝を果たしたのに、当時女子の出場は想定外で、女性という理由でメダルを剥奪されたラスティ・カノコギさん。その悔しさから、女性の世界大会参加の実現に尽力しました。共に現状に甘んじず、性差を超える努力をした2人を称え、「誰もがやりたいことができる差別のない社会に変えなければならない」と。
山口さんは出産の前に、男性医師に陣痛の辛さを質問して「経験がないから分からない」と返答され、「男女は違うもの」と再認識。子どもを産むのは女性にしかできない、役割が違うからこそお互いの価値を見出し、考え方を認め合うべき。男女は平等になり得ないけれども、共同に行うことはできると、強く訴えました。
問題が多発する東京五輪。「まだまだこれから問題が出てきますよ!でも男女差だけでなく、国籍・思想の違いも認め合える、誰もが生きやすい社会にするための機会です。(海外からの)お客様を迎えるため、家(日本)を大掃除しましょう」と。自身の苦労は語らず、様々の違いを柔軟に受け入れる姿はすがすがしく、力強さを感じました。

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