吉田医療新聞:急性心筋梗塞③ 時はリズムなり

花便りが聞かれる今日この頃、皆様お変わりはありませんでしょうか。
前回は「急性心筋梗塞」の後遺症の一つである「心不全」の話をさせていただきましたが、今回はもう一つの後遺症である「不整脈」について説明します。
一般的な不整脈は誰でも多かれ少なかれ持っていて、その大半は放っていても大丈夫なものです。しかし、「急性心筋梗塞」の後遺症による「不整脈」は異なり、時に突然、人を死に至らしめる恐ろしいものなのです。
「急性心筋梗塞」によって壊死した心筋と壊死していない正常な心筋の境目の部分からこの「不整脈」は出るのです。
それはまさに壊死しかけの心筋の叫びとも言えます。その叫びは心臓に負担がかかった時に出やすく、運が悪ければ心室細動という「不整脈」で亡くなってしまうのです。
この「不整脈」を防ぐ には、心筋が壊死しないようにするしかありません。
迅速なカテーテル治療で血管を再疎通すれば正常な心臓のリズムを守ることができますので、突然の胸痛や 背部痛の際はすぐに119番にコールして救急車を呼んでください。
「時はリズムなり」と言えるでしょう。

毅峰会 吉田病院(枚方市北中振3-8-14)
TEL 072-833-1831
循環器内科部長 木戸 淳道
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京都府立医大医学部卒業日本循環器学会専門医
日本心血管インターベンション治療学会専門医

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