吉田医療新聞:心臓カテーテル治療⑤

9月を迎えたものの日中の暑さはまだまだ厳しい今日この頃でありますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
前回は新型ステントである薬剤溶出性ステントがいかに素晴らしく、どれだけ多くの患者さんに恩恵をもたらしてきたかを説明しました。しかし、その薬剤溶出性ステントにもいくつかの弱点があります。
1.ステントは金属でできているので金属アレルギーの方には使用しにくい
2.ステントは異物ですので一度心臓に入れると中が詰まらないようにバイアスピリンといって血が固まりにくくするお薬を半ば一生飲まなければならず、抜歯などの手術の際に血が止まらなくなってしまうことなどがあります。
そういった弱点をカバーするため、開発されたのが「溶けるステント」です。この「溶けるステント」は乳酸ポリマーという高分子化合物(プラスチックみたいなもの)でできていているので金属アレルギーの方でも使用できますし、ステント留置後3〜4年で溶けてなくなるので永久にバイアスピリンを飲み続ける必要もなくなります。
この「溶けるステント」はあと数年で日本でも一般的に使用できるようになる予定です。
毅峰会 吉田病院(枚方市北中振3-8-14)
TEL 072-833-1831
循環器内科部長 木戸 淳道
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京都府立医大医学部卒業
日本循環器学会専門医
日本心血管インターベンション治療学会専門医・施設代表医

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