こどもの心理を知ろう:平等と競争原理②

前号では「平等」に重きを置き私見を述べました。今号では「競争」について述べさせていただきます。実際、教育現場、社会現場では平等原理より競争原理が優先されているように思います。学校での成績、進路の決め方、社会現場での出世争いなどです。民主主義国家のわが国は互いに競争原理を働かせながら生きています。学校で異常に平等主義が染み付いてしまった場合、社会に出た時に子どもたちはとまどいを隠せないでしょう。
昨今問題になっているパワハラ、セクハラはよくないことですが、今、「叱れない教師、上司」が問題になっています。すべてを平等に扱わないと、平等主義者からパワハラ、セクハラ扱いされてしまうのです。
しかし、そうなると逆に子どもたちの「個性」が失われてしまいます。個性とは人間の持つ性格、性質です。それらが失われると「どこを切っても金太郎飴」状態になりかねません。
前号で述べました通り、人皆平等でなければなりませんが、その中で競争原理を失ってしまうと「平等の不平等」が生まれます。人皆平等のもと、競争原理の重要性も併せての教育を望むところです。

こころの教育Q&A 子どもの心理を知ろう
関西カウンセラーズ研究会
心理分析室 深田昭一(上級教育カウンセラー)
元暴走族から更生、教師を経てカウンセラーに転身。現在、カウンセリング、並びに各地での講演活動を実践。テレビ、ラジオなどにも出演。

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