目からウロコ 平成18年12月1日号

 早いもので、1年も終わりに近付いてきました。今回は、ちょっと趣向を変えて、今年実際にあったちょっと面白い話をしてみようと思います。
 ある時、中年の男性が右目の異物感を訴えて受診されました。目の中に何か入っているのかと調べてみましたが、何も見当たりません。「何もないようですが・・・」と言うと、「でも、実際に何か入っているみたいにコロコロするんですよ」と。
 それではと、もう一度じっくりのぞいて見ると・・・ありました!無色透明で小さなプラスチック片のような物が、結膜の隅っこに張り付いているではありませんか。「う~ん、なんか魚のウロコみたいな物がありましたよ」と私が言うと「あっ、そういえば昨日釣りに行った後、魚をさばきました!」かくして、まずはめでたし、めでたし。『目からウロコ』とはよく言ったものです。
 このように、目の中に物が入って受診される方は、時折おられます。色が付いていたり、目の表面に擦り傷ができていたりすると、入っている場所が予想しやすく、結構簡単に見付かるのですが、今回のように透明であったり、小さかったりすると、すぐには見付からない事もあります。
 例えばソフトコンタクトレンズが目の中で破れた場合、その破片についても同じ事が言えます。結膜は袋状になっているので、入った物が目の裏まで入り込んで取れなくなる事は決してありません。大抵の場合、涙と一緒に自然に出てくるので、しばらく様子を見ていても大丈夫な事がほとんどですが、充血や異物感が長く続く時は、念のため眼科医に相談された方が良いでしょう。


きたの眼科:北野保子院長
診療所では、場合により在宅医療、往診にも対応。電話予約、電話相談にも応じる。星ヶ丘厚生年金病院、そのほかの病院との病診連携を行っている。
枚方市中宮西之町15-18-101 TEL072-890-2929

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