目の老化 平成19年1月1日号

 明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお付き合いください。
 さて、このお正月、たまっていた本を読んだり、テレビを見たりして過ごされる方も多いと思います。「どうも最近、細かい文字が読みにくくて…」「本を読んだ後、ふと目を上げてテレビ画面を見るとぼやけて見え、じっと見ているとだんだんはっきりしてくる」などの症状に、心当たりはありませんか?
 そろそろ目の老化、すなわち〝老眼〟の始まりかも知れません。長年にわたり、高性能オートフォーカスカメラとして働いてくれたあなたの目も、40歳を過ぎたころから徐々に衰えが出てきます。誰でも白髪になるように、老眼も残念ながら避けて通る事はできません。
 ピント調整機能を備えたレンズである目の中の水晶体は、加齢とともに徐々に弾力性が失われ、硬くなっていきます。それに伴い調節できるピントの幅が狭くなり、光をより強く屈折させなければならない近くを見る時に、ピントが合いにくくなるのです。近視の人は老眼になりにくいと誤解されがちですが、眼鏡で遠くをよく見えるようにすると、そのままでは近くが見えづらいように、老眼は同じように訪れます。
 最近、アンチエイジングについて盛んに取り上げられていますが、残念ながら、まだ若返りの薬がないのと同じで、老眼を治す方法はありません。老眼を放っておくと、目の疲れ、頭痛、肩こりなどの原因になる事があります。そんな場合は、その人の用途や度数に合った適切な老眼鏡を掛ける事によって、症状が緩和される事も珍しくはありません。


きたの眼科:北野保子院長
診療所では、場合により在宅医療、往診にも対応。電話予約、電話相談にも応じる。星ヶ丘厚生年金病院、そのほかの病院との病診連携を行っている。
枚方市中宮西之町15-18-101 TEL072-890-2929

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