消化管の健康診断 平成17年7月15日号

 読者の皆様の中には、毎年胃のレントゲン検査を受けておられる方も多いと思います。検査の目的はもちろん胃癌の早期発見です。 今日、リンパ転移の可能性が少ない早期胃癌では、内視鏡技術の進歩により内視鏡下粘膜切除法が主流となってきました。開腹手術に比べて体に対する負担も少なく、胃の形が損なわれることもない画期的な治療法です。そのような早期胃癌の段階で発見するために積極的な内視鏡検査をおすすめします。レントゲン検査では発見しにくい粘膜の色調変化のみの早期病変が見つかることもあります。また、萎縮性胃炎が認められれば、ピロリ菌の存在を確かめ、抗生物質による除菌療法を行い、将来の胃癌のリスクを減らすこともできます。胃癌は早期に見つかれば完全に治せる癌です。 次に大腸についてはスクリーニング検査として便潜血反応が一般的に行われていますが、これによる早期癌の発見率は5割以下といわれています。近年、食生活の欧米化に伴い、胃癌に比べ大腸癌が増加しています。大腸の検査は大変だと思われがちですが、内視鏡がのどを通らないためそれほど苦しい検査ではありません。早期癌の段階で見つかれば大腸癌も内視鏡治療が可能です。
 最後に小腸については現在あまり検査が行われていませんが、撮影装置を内蔵したカプセルを飲んで検査するカプセル内視鏡や、尺取り虫のように内視鏡を進めるダブルバルーン内視鏡が開発されてきています。
 早期発見早期治療で、快適な毎日を過ごしましょう。

診特定医療法人 三上会 総合病院 東香里病院
枚方市東香里1-24-34 TEL072-853-0501
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