胃食道逆流症 平成21年9月15日号

 胃食道逆流症(GERD)とは、食道に酸性の胃の内容物が逆流し
て、食道下部に炎症を起こし、胸やけなどの症状を来す疾患です。
 胃は、消化を行うために胃酸や消化酵素を分泌していますが、それと同時に粘液で胃の表面を覆い、胃酸から自分自身を守っています。しかし食道は胃酸に弱いので、胃内容物の逆流により容易に傷付いてしまいます。
 最も典型的な症状は、食後しばらくして起こる胸やけです。このほかに、狭心症のような胸痛、喘息のような咳や息切れ、咽頭炎のような声がれ・のどの不快感など、胃とは直接関係ないと思われるような症状もあります。
 内視鏡検査をすると多くの場合、逆流性食道炎が認められますが、全く炎症が見られない方もいます。症状は胃酸の逆流によるものなので、胃酸の分泌を抑える薬を内服して症状が消えるかどうかで診断することもあります(PPIテスト)。
 胃食道逆流症と診断されたら、胃酸の逆流を防ぐために、次のようなことに注意してください。 食事は腹八分目にし、油っこい物、強い香辛料、炭酸飲料、消化の良くない物は避けてください。日常生活では、おなかを締め付ける衣服は避け、背筋を伸ばして前かがみの姿勢をやめ、食後すぐに横にならないように。薬物治療では、胃酸を抑えるプロトンポンプ阻害薬(PPI)を使用します。
 原因の分からない胸やけ、胸痛、咳、のどの不快感などがあれば、一度PPIテストを受けてみてください。

診特定医療法人 三上会 総合病院 東香里病院
枚方市東香里1-24-34 TEL072-853-0501
http://www.higashikouri-hp.com 

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