海外での医療保険や年金、所得・住民税などの手続き1 平成17年5月15日号

今回は、意外と知られていない海外旅行、海外中長期滞在や海外移住などの医療保険や年金、所得・住民税などの事務的手続きについて、3つのカテゴリーに分類してまとめていきたいと思います。
1.海外旅行型
海外旅行で心配になるのが、突発的な病気やけがです。例えば、海外旅行中に現地の医療機関で治療を受けた場合は、国民健康保険や老人保険など、すべての公的医療保険で給付を受けることができます。ただし、注意が必要なのは、治療代金はいったん自分で全額を立て替えて支払うこと、日本における治療費の算定基準が適用されること、基本的に医療費の7割の支給が限度となることなどが挙げられます。民間の「海外旅行傷害保険」に加入しておくと負担が少なくなるケースもあります。 
最近では、クレジットカードに旅行保険が自動付帯されている場合も多いので、手持ちのカードを確認しておくことが必要です。
2.海外中長期滞在型
海外滞在型になると、旅行とは違った知識・手続きなどが必要となりますが、医療保険などについては、基本的に①で述べた内容となります。海外滞在中の公的年金や企業年金などについては、現行通りの受け取りが可能です。 海外で年金を受け取るには社会保険事務所で所定の用紙を受け取り、必要事項を記入した上で社会保険業務センター宛に送付することで、年金の海外での受け取り金融機関を指定することができます。厚生年金基金については、各基金で取り扱いが異なりますので注意が必要です。
年金の受け取りの際の注意点としては課税関係の問題があります。必要な手続きをしていなければ、日本と滞在国とで二重の課税がされてしまうからです。

実践!ライフマネジメント
日本ファイナンシャルプランナーズ協会会員
下北 行則さん

〈プロフィール〉
酪農研修を修了しカナダから帰国後、上級ファイナンシャルプランナー(FP)の資格を取得、独立系FPとして活躍中。
目標は世界を視野に入れたFPビジネスの展開。

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