コンタクト注意報! 平成17年4月1日号

先日、長年コンタクトレンズを愛用されていた方が、「最近、コンタクトをしてもはっきり見えなくなってきたんです」と言って受診されました。診察してみると、眼球の黒目の部分(角膜)が白く混濁してきています。このまま放置すれば、角膜の濁りが元に戻らなくなって、視力が回復しない可能性もあります。すぐにコンタクトの中止をお願いしました。
この方は、最近主流の使い捨てタイプのコンタクトレンズを使用されていたのですが、よく話を聞いてみると、使用期限を守っていないとのことでした。コンタクトレンズには、ソフトタイプとハードタイプがありますが、最近は、装用感覚が良く、手間のかからない使い捨てのソフトタイプを使用される方が大変増えているのが実情です。
ソフトコンタクトレンズは、角膜にぴったりと張り付いた薄い膜のようなものです。目にとっては、首からすっぽりとビニール袋をかぶされたような状態にあるわけです。角膜は、瞬きに伴って入れ替わる角膜とレンズの間の涙を介して酸素を受け取り呼吸しているわけですが、涙の量自体が少なかったり、パソコンの作業などで瞬きの回数が減ったり、コンタクトレンズ自体の劣化で酸素透過性が落ちたりすると、角膜が窒息状態に陥り、濁って傷が付いたり、悪くするとばい菌に感染したりします。 また、最近多い花粉症においても、症状のひどい時に無理してコンタクトを装用し続けると、アレルギー症状がさらに悪化します。このような時は、レンズの装着を中止したり、レンズの種類を変更したりして様子を見る必要があります。
確かにコンタクトレンズは、大変便利なものです。ただし、あくまで医療器具ですから、正しく使って上手に付き合っていってください。


きたの眼科:北野保子院長
診療所では、場合により在宅医療、往診にも対応。電話予約、電話相談にも応じる。星ヶ丘厚生年金病院、そのほかの病院との病診連携を行っている。
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