脳卒中について4~脳卒中と認知症のこと~ 平成23年12月15日号/吉川 健治先生

 当院には、SCU(脳卒中ケアユニット)と専任スタッフによる「脳卒中センター」があります。
 同センターの使命は、 脳卒中の患者さんを迅速に診断・治療し、社会復帰を進めることです。実際、血栓溶解や血管内治療などの最新治療によって麻痺が軽くなり、歩ける方が増えています。
 しかし、脳卒中センターの効果はそれだけではありません。認知症を減らすことにも貢献します。
 認知症は「心の病気」ではなく、患者さんとその家族の生活を静かに破壊していく「脳の病気」です。例えば、わが国で2番目に多い「脳血管性認知症」は、脳卒中により脳が傷付いた結果、生じます。当然ながら、脳卒中が減ればこのタイプの認知症も減少します。
 また、それだけではありません。最も多い認知症である「アルツハイマー病」の場合、「脳梗塞」は認知症の強力な「促進剤」です。よって、脳梗塞を抑えることで、アルツハイマー病の軽症化や発症予防が期待できるのです。
 脳卒中センターは地域の皆さんの脳卒中とその後遺症を減らすための拠点であるだけでなく、同時に「脳を守るセンター」、そして「生活を守るセンター」でも あると言えるでしょう。

星ヶ丘厚生年金病院 
枚方市星ヶ丘4-8-1 TEL072-840-2641
医学博士・部長  高橋 務先生
医学博士・副院長 福永 隆三先生
医学博士・副院長 救急部長 森川 和要先生
医学博士・脳卒中内科 吉川 健治先生
部長 本田 雄二先生
内科部長 清水 義臣先生
医長 杉浦 史郎先生

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