我慢・わがまま、「過ぎない」ことが大事

Q 中学生の長男は何かにつけて我慢強いのですが、1つ違いの次男はわがままな性格で困っています。もう少し長男を見習ってほしいのですが…。

A 我慢強い子どもが「良い子」で、わがままな子どもが「悪い子」との認識を持っておられるのではないでしょうか?一般論として、我慢強い子どもの方が評価が高くて、逆にわがままな子どもの方が評価は低いようです。
さて、「我慢」の語源とは何でしょう?「我慢心(われまんしん)」なのです。慢心を辞書で調べてみますと「おごり高ぶること」と書かれています。つまり自分自身を誇大評価しているのです。それでは我慢の反対語とは何か?「素直」です。人は泣きたい時に泣き、笑いたい時に笑い、怒りたい時に怒る。これが正常反応であり、カウンセリング的な表現を使うと「あるがまま」の状態です。
ただ、ここで誤解のないように記述させていただきますが、適度な我慢は必要です。また、過度なわがままは欲求不満への耐性力を低下させます。故に我慢は必要ですが、それが強すぎると自分自身の欲求を心の中に閉じこめてしまうのです。その結果、以前に問題となった「いい子症候群」「いい子が突然キレる」というような状態や問題行動を起こす可能性をはらんでいるのは確かです。
つまり、何事においても「過ぎない」ということが肝要になってきます。お酒を飲むのは別にいけないことではありません。しかし、飲み過ぎると体を壊します。財産があるに越したことはないですが、あり過ぎると家族関係や兄弟関係が崩壊するというような話を耳にします。
人生、すべてにおいて「ほどほど」「良い加減」に生きることが、最も心身が安らかで楽な生き方だと感じます。
こころの教育Q&A 子どもの心理を知ろう
家庭教育専門カウンセラー 深田 昭一 さん
心理分析室 深田昭一事務所
TEL 06(6942)0605

大阪青年会議所会員(文化都市推進委員)
元暴走族から更生、教師を経てカウンセラーに転身。現在、カウンセリング、並びに各地での講演活動を実践。テレビ、ラジオなどにも出演。

 

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