急性心筋梗塞を発症してから1月以上経過し、心筋壊死が完成し固定した状態を陳旧性心筋梗塞(OMI)といいます。
OMIでは心臓の一部が壊死(えし)して動かなくなっているので、心機能は低下しています。心機能は低下していても、壊死を来たしていない他の部分の働きなどで心不全症状が出現しないこともあります。
このように心疾患では、心機能は低下しても体が必要とするのに見合う血液量が心臓から拍出、供給されていれば、心不全症状は出現しません。このような状態を慢性心不全の代償期といいます。
しかし過大な負荷がかかり、体が必要とするだけの血液量を心臓が供給することができなくなれば、容易に心不全症状が出現します。これを慢性心不全の急性増悪といいます。
OMIの原因となった閉塞冠動脈に経皮的冠動脈形成術を施行し血流を再開しても、既に壊死した心筋であり、心機能の改善はあまり見込めません。しかし、他の冠動脈が新たに閉塞すれば非常に重篤な状態となりますので注意が必要です。
またOMIでは、心筋壊死部から不整脈が出現したり、動かなくなった心筋部分で血流が停滞することで血栓を生じ、脳梗塞などの血栓塞栓症の原因となったりすることがあります。
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循環器内科部長 鷹野 譲先生
日本循環器学会認定専門医・日本心臓病学会特別正会員(FJCC)・日本心血管インターベンション治療学会認定専門医
JCHO星ヶ丘医療センター
枚方市星ヶ丘4-8-1 TEL072-840-2641

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