虚血性心疾患では狭心症でも心筋梗塞でも、胸痛をはじめとする胸部圧迫感や拘扼感などの胸部症状が出現するのが一般的です。
中には明らかな胸部症状ではなく、肩こりや歯痛、胸やけなどの症状を訴える症例もありますが、それでも何らかの体の異常を感じて病院を受診されることがほとんどです。
ところが、冠動脈に明らかな狭窄や閉塞病変を認めるにもかかわらず、何ら胸部症状を呈さない症例も存在します。このような病態を「無症候性心筋虚血(SMI)」といいます。
何も自覚症状がないのにどうしてSMIは診断されるのでしょう。SMIの多くは、健診の心電図異常や、ほかの病気で受診した際に一緒に行われた心電図や心エコー検査で見つかります。また、胸痛などの自覚症状のないまま発症した心筋梗塞によって心不全を来たした場合、息切れやむくみといった心不全症状で発見、診断されることもあります。
SMIでは自覚症状がないからといって、何もしないでいいはずがありません。SMIが疑われた場合は、最終的には心臓カテーテル検査で冠動脈病変をきちんと評価し、狭窄病変に対してはPCIやバイパス手術などの適切な治療が必要です。
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循環器内科部長 鷹野 譲先生
日本循環器学会認定専門医・日本心臓病学会特別正会員(FJCC)・日本心血管インターベンション治療学会認定専門医
JCHO星ヶ丘医療センター
枚方市星ヶ丘4-8-1 TEL072-840-2641

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