心房細動では、心房で350回/分以上のバラバラな電気刺激が起こっており、心房は細かく震えている状態(細動)で収縮はしていません。このバラバラな電気刺激の一部が心室へ伝わり拍動するので、心拍は一定のリズムではなく常にバラバラとなり、絶対性不整脈ともいわれます。
心房細動は加齢とともに増加し、70歳を超えると数%〜10%くらい発症するともいわれています。若年で発症すると強い動悸を感じて救急受診することもありますが、高齢で発症する場合は無症候性のことも多く、健診で偶然発見されることもあります。
心房細動で最も大きな問題は、脳梗塞発症のリスクが通常の4〜5倍増加することです。心房細動で発症する脳梗塞は、心房が収縮しないためにできた血液の澱みで生じた血栓が、比較的大きな脳血管に詰まって発症する心原性脳梗塞です。脳梗塞の中では最も重症なもので、発症したら20%が死亡、40%の人に介助が必要な重度障害が残存します。
したがって心房細動では脳梗塞の予防が最も重要であり、血栓を生じがたくする(血をサラサラにする)抗凝固薬の服用が推奨されています。以前はワルファリンという薬しかありませんでしたが、近年はNOACと呼ばれる新しい薬が幾つか登場し、副作用が少ないなど服薬しやすくなっています。
…………………………
循環器内科部長 鷹野 譲先生
日本循環器学会認定専門医・日本心臓病学会特別正会員(FJCC)・日本心血管インターベンション治療学会認定専門医
JCHO星ヶ丘医療センター
枚方市星ヶ丘4-8-1 TEL072-840-2641

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

ページ上部に