頻度は大変少ないですが、心臓に細菌やウイルスが感染して生じる疾患があります。感染する心臓の場所によって、心内膜炎、心外膜炎、心筋炎と呼ばれます。
心内膜とは主として弁膜(弁)のことを指し、弁に細菌感染をきたす疾患を心内膜炎といいます。心内膜炎では細菌の塊(疣贅(ゆうぜい))が弁に付着し、し、弁を破壊していくことで重篤な弁膜症を引き起こし、心不全となります。
また弁に細菌が付着しているということは、血液中に細菌が流れている敗血症の状態であり、菌塊による塞栓症や脳血管に微小動脈瘤を形成し、脳出血を引き起こすなどの重篤な合併症も生じ、最後は死に至る恐ろしい疾患です。
心内膜炎は発熱などの症状で発症し、初期には動悸や胸痛といった心臓の症状は認めないことが多く、通常の治療では改善しない発熱が続いているうちに心不全症状が出現してきて診断されることが一般的です。
治療は細菌に対する抗生剤投与ですが、弁の破壊がひどい場合は弁膜症の手術が必要になります。以前は細菌感染が落ち着いてから手術をしていましたが、近年は重篤な合併症が起こる前に、比較的病初期から積極的に疣贅の付着した弁を取り除く手術治療が行われるようになっています。

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循環器内科部長 鷹野 譲先生

日本循環器学会認定専門医・日本心臓病学会特別正会員(FJCC)・日本心血管インターベンション治療学会認定専門医

JCHO星ヶ丘医療センター

枚方市星ヶ丘4-8-1 TEL072-840-2641

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