心外膜とは心臓全体を包んでいる薄い膜で、心膜ともよばれ、縦隔の中で心臓を緩やかに固定しています。心外膜に細菌やウイルスが感染する疾患を「心外膜炎」といいます。心外膜炎は持続する胸痛を伴うことが多く、特異な心電図変化を認めることで診断されますが、急性心筋梗塞との鑑別が必要な場合もあります。
心外膜炎では心臓と心膜の間に、炎症のため心嚢液が貯留し心不全症状をきたすことがありますが、心筋に感染が及んでなければ比較的心機能は保たれ、軽症で経過することが多い疾患です。しかし、炎症が改善した後、数か月経過し、心膜が硬く変性して伸展性が障害される収縮性心膜炎といった病態となり、心不全症状が現れることがあります。
これに対して心筋に感染が及ぶものを「心筋炎」といいます。心筋炎はほとんどがウイルスによる感染です。心筋炎では心筋が炎症を起こし、腫れること(心筋浮腫)で収縮や拡張し難くなったり、感染に伴い壊死に陥ったりすることで重篤な心不全や致死性の不整脈をきたし死に至る恐ろしい疾患です。ウイルス感染症なので抗生剤なども効果がなく、重症期には体外循環などを行って循環動態を維持し炎症の改善を待ちます。炎症が改善しても心機能が低下したままで慢性心不全となる場合もあります。

…………………………

循環器内科部長 鷹野 譲先生

日本循環器学会認定専門医・日本心臓病学会特別正会員(FJCC)・日本心血管インターベンション治療学会認定専門医

JCHO星ヶ丘医療センター

枚方市星ヶ丘4-8-1 TEL072-840-2641

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

ページ上部に