動脈は、直接心臓につながる大動脈と、大動脈から分枝する末梢動脈の大きく2つに分類されます。大動脈は最大の動脈なので、動脈硬化が進行しても末梢動脈のように狭窄することは稀で、反対に風船のように拡張することがあります。これを大動脈瘤といいます。大動脈瘤は自覚症状が乏しく、胸部大動脈瘤では嗄声(させい)(声がかすれる)、腹部大動脈瘤では腰痛などの症状から発見される場合もありますが、多くはほかの疾患の検査で行ったCTや超音波などで偶然見つかります。大動脈瘤は放置していると最後は破裂して突然死してしまう恐ろしい疾患です。
大動脈瘤が疑われた場合は、造影CT検査で形状評価を行います。紡錘(ぼうすい)型の大動脈瘤は、大動脈が全体的に拡張し、瘤の大きさとともに破裂のリスクが高まります。一定の基準を超えて動脈が拡張したら手術適応となります。これに対して嚢状(のうじょう)型は、大動脈の一部分が嚢状に飛び出すように拡張しており、その部分に圧力が集中するため小さくても破裂のリスクが高く、直ちに手術適応となります。
大動脈瘤の治療は、以前は瘤を切除し人工血管へ置換する手術だけでしたが、近年カテーテルを使ってステントグラフトを挿入する治療ができるようになり、高齢者の大動脈瘤治療に多く用いられています。
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循環器内科部長 鷹野 譲先生
日本循環器学会認定専門医・日本心臓病学会特別正会員(FJCC)・日本心血管インターベンション治療学会認定専門医
JCHO星ヶ丘医療センター
枚方市星ヶ丘4-8-1 TEL072-840-2641

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