大動脈は、心臓から出て頭の方に向かい(上行大動脈)、胸郭の上部で頭や腕に行く血管を分枝して反転し(弓部大動脈)、胸部から腹部へ向かって走行して(下行大動脈)、臍のあたりで左右の下肢にいく血管を分枝するまでをいいます。大動脈の血管壁は数ミリ程度の厚さで、内膜、中膜、外膜の3層から構成されています。
大動脈解離は、この血管壁が内膜と外膜の間で裂ける疾患で解離性大動脈瘤ともいいます。裂けるといっても血管の外に破裂するのではなく、血管の内側に内膜がはがれる状態になります。このため血管内腔が狭くなるのとともに、はがれた側から分枝している末梢血管には十分な血流が供給されなくなるため、脳梗塞をはじめ種々の臓器で虚血を発症する可能性があります。また、大動脈は心臓につながっているので、解離が心臓にまで及ぶと心タンポナーデや冠動脈を閉塞して心筋梗塞を発症し、死に至ることもあります。
大動脈解離は解離の場所によって治療が異なります。上行大動脈に解離がある場合は、原則として緊急手術となります。これに対して下行大動脈解離は、保存的に経過を見ていましたが、近年、比較的早期にステントグラフトを挿入する治療法が広がりつつあります。
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循環器内科部長 鷹野 譲先生
日本循環器学会認定専門医・日本心臓病学会特別正会員(FJCC)・日本心血管インターベンション治療学会認定専門医
JCHO星ヶ丘医療センター
枚方市星ヶ丘4-8-1 TEL072-840-2641

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