下肢の深部静脈とは、皮膚の表面に見えている表在静脈ではなく、その奥にある比較的大きな静脈をいいます。ここに血栓が生じて下肢の血流がうっ滞し、足がむくむ、腫れる疾患を深部静脈血栓症(DVT)といいます。下肢のむくみの原因は色々ありますが、特に片側だけむくむ場合はDVTの検査が必要です。
深部静脈にできた血栓が血流に乗って流れ出すと、静脈なので血栓は心臓に向かって流れていきます。心臓から肺動脈まで血栓が流れると、どこかで詰まってしまいます。これを肺血栓塞栓症(PTE)といいます。PTEは肺に血流が行かなくなることで急激な呼吸循環不全を来し、突然死につながる大変恐ろしい疾患です。
DVTは長期臥床している人や整形外科で下肢の手術をした後などで発症しますが、飛行機のエコノミークラスで長時間座っている間にDVTを発症し、到着後に歩き出したとたん血栓が流れ出してPTEをきたすことから、エコノミークラス症候群と呼ばれるようになりました。最近では、震災などで狭い車の中で動かずにいることで発症し、震災関連死の要因ともなっています。足は第2の心臓とも呼ばれます。しっかり歩くことで足の血流不全を予防しましょう。
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循環器内科部長 鷹野 譲先生
日本循環器学会認定専門医・日本心臓病学会特別正会員(FJCC)・日本心血管インターベンション治療学会認定専門医
JCHO星ヶ丘医療センター
枚方市星ヶ丘4-8-1 TEL072-840-2641

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