泌尿器科救急② 尿管結石症について

今回は泌尿器科救急疾患のうち、尿路結石についてです。 尿路とは尿の通り道のことで、上から順に腎臓、尿管、膀胱、尿道などを含みます。
このうち、救急疾患として問題になるのは、ほとんどが尿管に結石が詰まった場合です。たいていの結石はまず腎臓の中で作られます。尿管とは腎臓からの尿の通り道ですから、腎臓でできた結石がここに詰まると、尿がせき止められ、腎臓の中の圧力が上がり、背中の激痛が起こったり、結石によって尿管がけいれんし、下腹部の痛みが起こったりします。
この痛みは疝痛発作と呼ばれるもので、時に強烈な痛みとなり、冷汗や吐き気を伴うこともしばしばで、たまらずに救急車を呼ばれることも珍しくありません。
さらに普通、この痛みには波があり、一時治まっても、いつまたぶり返すか分からないという恐怖心も出てくるため、患者さんにとっては非常につらいものです。
しかし、泌尿器科医にとって本当に急を要するのは、痛みだけではありません。結石の痛みに高熱を伴っている場合です。これは結石が詰まることで腎臓に感染が起こっているサインで、早く処置しないと、場合によっては細菌感染によるショックを起こし、時に命の危険すら出てくる怖い状態です。

泌尿器科部長 百瀬均院長 大山信雄先生
星ヶ丘厚生年金病院
枚方市星ヶ丘4-8-1 TEL072-840-2641

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です