泌尿器科救急③ 尿閉(にょうへい)について

泌尿器科救急疾患の第2弾は尿閉についてです。読んで字のごとく尿が閉じる、つまり尿が出なくなる状態を言います。と言っても、尿が作られていない訳ではなく、膀胱にたまった尿を外に出せない状態をこう呼びます。ちなみに尿が作られなくて、出なくなる状態は無尿と呼び、腎不全などで起こります。
圧倒的に男性、それも高齢者の男性に多く見られます。と言うのも、尿閉の原因で最も多いのが前立腺肥大症という病気だからです。肥大した前立腺により膀胱の出口が狭くなって尿が出にくくなる病気です。典型的な例は前立腺肥大症を患っている方が、飲酒や風邪薬の服用により、尿が止まってしまうというパターンです。下腹部がパンパンに張って、強い尿意があるにもかかわらず尿が出せないという、非常につらい状況になり、たまらず救急車を呼ばれるケースもよくあります。
それ以外の原因としては精神安定剤や喘息の治療薬などの薬剤によるケースや糖尿病とか脊髄の病気などで膀胱の神経が麻痺していることで起こる場合もあり、色々です。
治療は元の原因を取り除くことはもちろんですが、緊急の場合は、カテーテルという細い管を尿道に通して尿を外に出す導尿という処置が行われます。

泌尿器科部長 百瀬均院長 大山信雄先生
星ヶ丘厚生年金病院
枚方市星ヶ丘4-8-1 TEL072-840-2641

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です