泌尿器科救急④ 急性陰嚢(いんのう)症

今回は泌尿器科救急のうち、「急性陰嚢症」についてお話します。陰嚢とは睾丸という男性特有の臓器を納めている所で、蹴られたりした時には、飛び跳ねるほどの痛みを感じる場所のことです。この陰嚢がぶつけた覚えもないのに急に強く痛みを伴って腫れてくるような状態をこう呼びます。
いくつかある原因の一つに、「精索捻転」という、睾丸がねじれる病気があり、これは救急疾患として治療に急を要する病気です。ほとんどが子どもさんや10代の若者で、明け方、寝ている時に突然起こることが多いとされています。
睾丸がねじれた状態で長時間経ちますと、睾丸の組織が壊死、つまり死んでしまうことになります。痛みを感じてから6時間以上経つと壊死する確率が高くなりますので、できるだけ早く泌尿器科専門医の受診が必要です。
さて、これまで約3年間にわたって泌尿器科の病気について書かせていただきましたが、残念ながら今回が最後になります。少しでも読者の方のお役に立てたのなら幸いです。またいつの日かお目にかかれる機会があればと思っています。どうぞ、皆さん、お元気で。
なお、次回からは星ヶ丘厚生年金病院の色々な診療科のドクターにバトンタッチします。引き続きよろしくお願い致します。

泌尿器科部長 百瀬均院長 大山信雄先生
星ヶ丘厚生年金病院
枚方市星ヶ丘4-8-1 TEL072-840-2641

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