吉田医療新聞:急性心筋梗塞② 時は心筋なり

桜前線の到来が待ち遠しい今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか?前回は「急性心筋梗塞」という病は時に人命を奪い、それを防ぐには可能な限り迅速なカテーテル治療が必要であることをお伝えしました。
今回は、「急性心筋梗塞」になり、適切な処置を受け助かった後の、後遺症の話をさせていただきます。
「急性心筋梗塞」という病気では、血管が詰まることで心臓の筋肉(心筋)が死んでしまいます。詰まってから刻一刻と1秒毎に心筋は壊死し、死んだ心筋は決して元に戻りません。トカゲのしっぽみたいに「ほら、元通り」とはいかないのです。将来iPS細胞が応用され心筋再生が可能になる日がくればいいのですが、まだ目途が立っていないのが実情です。
心臓は全身のポンプですので、心筋が壊死すればするほど、ポンプとしての力はなくなっていきます。そうすると、全身のむくみや息切れといった心不全症状が出やすくなり、入退院を繰り返す方もおられます。ポンプの力を守るには、何度も言うように迅速なカテーテル治療で詰まった血管を再疎通させ、できるだけ心筋が壊死しないようにするしかないのです。
まさに「時は心筋なり」といえるでしょう。

毅峰会 吉田病院(枚方市北中振3-8-14)
TEL 072-833-1831
循環器内科部長 木戸 淳道
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京都府立医大医学部卒業日本循環器学会専門医
日本心血管インターベンション治療学会専門医

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