本当の国際化とは? 平成20年4月15日号

 最近は、枚方や交野地域においても外国人の姿を日常的に見かけるようになりましたね。これは、1993年に始まった「外国人研修・技能実習制度」が一つの大きな要因であると考えられます。
 この制度は当初、日本の技術の海外移転や、人材の育成という目的がありました。しかし、近ごろでは中小企業などが労働力不足を解消するための切り札に利用され、賃金の不正支払いや長時間労働などの労働基準法に違反するケースが多発しているのが現状です。
 このような中小企業などの正社員の非正規社員の置き換えの対象として、より安上がりな外国人労働者を求める不正な制度の利用は、景気変動に伴う失業問題の発生や労働条件の低下などの問題点が指摘されています。
 もちろん、少子高齢化が急速に進行するわが国にとっては、アジア・南米諸国に潜在する余剰労働力は魅力的です。この制度が本来の目的を逸脱しなければ、お互いの経済発展や人的交流に役立つことになるでしょう。しかし、本来の目的から逸脱した制度の利用がまん延化した現状においては、外国人労働者の権利保護や秩序ある受け入れなどのさらなる法整備が急務の課題になっています。
 しかし、これらの問題の、
解決策は企業だけに求められるものではありません。例えば、私たちのライフスタイルの変化によって、私たちはコンビニエンスストアを24時間利用し、いつでも好きな時間に食品を購入するようになりました。そうなると、24時間稼動しなければならない食品製造工場が必要になります。その担い手になっているのが外国人労働者なのです。低賃金で激務を担っています。私たちも考えなければならない問題ですね。

実践!ライフマネジメント
日本ファイナンシャルプランナーズ協会会員
下北 行則さん

〈プロフィール〉
酪農研修を修了しカナダから帰国後、上級ファイナンシャルプランナー(FP)の資格を取得、独立系FPとして活躍中。
目標は世界を視野に入れたFPビジネスの展開。

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