夜間頻尿その4 平成19年5月1日号

 前回の内容で、夜間頻尿の原因である「多尿・夜間多尿」と「夜間膀胱容量減少」について、自分で調べる方法をお話ししました。今回からは、いよいよ治療についてです。
「多尿・夜間多尿」を来たす病気の代表的なものに、心臓・肺・腎臓の病気や糖尿病などがあります。既にこれらの病気で治療を受けている方は、治療がうまくいっているかどうか、かかりつけの医師に相談してみてください。 これらの病気がないのに「多尿・夜間多尿」がある人は、一度ご自身が一日の内にどれくらい水分を取っているか調べてみてください。食事時のお茶だけでなく、食間に飲むコーヒーや紅茶、あるいは晩酌などで結構たくさんの水分を取っていることが分かります。たくさんの水分を取れば尿量が増えるのは当然で、特にコーヒー・お茶やアルコールには利尿作用があるので、取った水分量以上の尿を産生します。これらに加えて、最近マスコミでさかんに水分摂取をすすめている状況が「多尿・夜間多尿」に拍車を掛けています。「血液サラサラ」という表現は一見説得力があるように聞こえますが、実は水分をたくさん取ることで脳梗塞や心筋梗塞を予防できるという医学的データはありません。
 人間の体は、体内の水分が不足すればのどが渇いて水分が欲しくなり、水分が多すぎれば尿量が増えて余分な水分を出すようにできています。医師に脳梗塞や心筋梗塞の危険があると言われている人は別にして、通常はのどが渇いた時に欲しい量を飲むだけで十分なのです。

泌尿器科部長 百瀬均院長 大山信雄先生
星ヶ丘厚生年金病院 
枚方市星ヶ丘4-8-1 TEL072-840-2641

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