夜間頻尿その5 平成19年6月1日号

 前回は「夜間多尿」の原因と対策について説明し、特に必要以上に水分をたくさん取ることに警鐘を鳴らしました。今回は夜間頻尿のもう一つの原因である「夜間膀胱容量減少」、すなわち「膀胱にあまり尿がたまっていないのに目が覚める」ということについてです。これには二通りの場合があります。 一番目は「少ない尿量で尿意が生じてしまい、その結果目が覚める」場合で、要するに膀胱が過敏になっている状態です。ただし、それには、その原因である何らかの病的状態が存在するはずで、夜間だけ膀胱が敏感になるとは考えにくく、一般には昼間も頻尿が出現するはずです。このように膀胱が過敏になる病気としては、以前にこの欄で解説した「前立腺肥大症」、「過活動膀胱」、「間質性膀胱炎」などがあります。いずれも泌尿器科専門医にとっては、診断法が難しくなく、最近は良い治療法がたくさん開発されています。
 二番目について説明する前に、海外での面白い実験結果をお話しましょう。夜間に1回以上排尿に起きる人たちに、入院の上で全身を詳しく監視した状態で睡眠してもらいました。夜間に目が覚めた原因のほとんどが、自分のいびきや睡眠時無呼吸であったにもかかわらず、なぜ目が覚めたのかという問い掛けに対して、65%の人が「排尿したかったから」と答えました。これは、「たとえ原因が別にあっても、人間は夜間に目覚めた時にはトイレに行く習性がある」ということを示しています。
 次回は、睡眠障害と夜間頻尿の関係についてお話します。

泌尿器科部長 百瀬均院長 大山信雄先生
星ヶ丘厚生年金病院 
枚方市星ヶ丘4-8-1 TEL072-840-2641

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